我が家のパパゴン
我が家のパパゴン
梅村順子
演劇のこととなると、どうしてあのように夢中になれるのか、いまだによく分かりません。幸せな人と言うべきでしょうか、気の毒な人と言うべきでしょうか・・・。
それに、いざ・・・と言うときの「集中力」と「ねばり強さ」は、ただものではないと感心しています。おかげで、こちらは随分泣かされました。
とにかく、新婚旅行に、「コンクールの脚本を完成させないと間に合わない」と、原稿用紙を持って来たのにはびっくりしました。長女が生まれた時も、産院で付き添ってくれながら、コンクールの脚本を書き上げてしまいました。
追い詰められて無理するくらいなら、もっと早く準備すればよいのにと思うのですが、「題材が、心の中で熟成し、追い詰められたような緊張感の中でしか書けない」と言われますと、私には分らない世界のことですから、「身体だけは壊さないように」と言うより他ありません。とにかく、マイペースの善孝さんです。
それでも、舞台が成功したときの嬉しそうな、無邪気な顔を見ると、つい、憎さも忘れてしまうんです。
こちらも相当のお人好しですね(笑)